インタビューInterview
資金調達から
事業拡大の実現までチームで伴走
Hinel
山中裕加さん
Profile
Hinel代表。愛媛県松山市出身。地方自治体や開発事業者と共に専門分野である建築・不動産の再生・活用を軸とした街づくりに取り組むかたわら、商品開発や施設運営を通して持続可能な地域の仕組みづくりを模索している。
2019年に東京より西条市にJターン移住。2020年より地方創生プロジェクトの一環として地域課題であった放置竹林の若竹を使った「メンマチョ」の製造販売をスタート。2021年には地域のクリエイティブ人材のチャレンジの場として活用できるシェアスペース「パーラー〇〇」をオープン。
山中さんの事業内容を教えてください。
不動産開発の仕事の経験を活かして、2018年に街づくり企画や施設活用のコンサルタントとして創業しました。前職時代、地域活性化や街づくりの企画も行っていた関係で地方に興味をもち西条市に移住したのですが、移住後、放置竹林の地域課題を含む山林環境の現状について知りました。この地域課題に対して、私に何ができるだろうと考え、放置竹林の若竹を使ったプロダクト「メンマチョ」の開発をスタートさせたんです。また、現在では飲食店・シェアキッチン・イベントスペース機能を持った複合施設「パーラー〇〇」の運営も行っています。元々、移住した時は、東京のスキル人材と西条の架け橋になるような場を作りたかったので、パーラー〇〇は、移住当初からのアイデアがベースになっています。
まどんなクリエイトを利用するきっかけを教えてください。
まどんなクリエイトの武市さんがパーラー〇〇に遊びにきてくれたのが、初めての出会いです。その時は、普通におしゃべりしただけだったのですが、とても頭の良い人だなという印象でした。当時、補助金の申請を手伝ってくれる人を探していて、実は共通の友人から、武市さんが補助金のサポート業務をされていると聞いていたんです。後日「補助金の申請を手伝ってほしい」と連絡したら、補助金申請だけの業務は受けておらず、事業の計画などを含めた伴走サポートをされているとお伺いしました。
その時は、お互いのことを全く知らなかったので、互いを知るという意味で、後日松山で食事をしました。その時は補助金については特にお話ししなかったのですが、数日後に、「補助金申請も視野に入れて、収支計画や事業計画を作るお手伝いができれば・・・」と武市さんからご連絡をいただき、お願いすることになりました。
当時、山中さんが抱えていた課題はなんだったのでしょう?
先述した通り、補助金申請を手伝ってくれる方を必要としていました。個人事業主としては大きな投資だったため補助金等の資金調達が必須だと考えていました。
武市さんから、正式にお手伝いいただけると連絡をいただいた時はほっとしましたね。
これまでの事業内容や方向性、資金計画や決算内容などを、まどんなクリエイトのメンバーで中小企業診断士でもある大井さんと相談した上で、補助金の申請に一緒に挑戦してみたいと思っていただけたみたいです。
後々、まどんなクリエイトさんにお手伝いしてもらうことになって、申請していたその補助金がとても難しいものだと知りました。
サービスを受けてみて変化はありましたか?
当初の目的通り、補助金が採択されました!武市さんとはじめに5〜6回打ち合わせをオンラインで行い、事業の収支計画を一緒に作成していただきました。
その後、大井さんが参加して、「私の理想」がどういう状態なのかをヒアリングしていただきました。それ以降は、大井さんと二人の打ち合わせが多かったですね。大井さんには、事業計画書を作成していただいたのですが、楽しくおしゃべりをしていたら私が求めていた事業計画書が出来上がっていた!というイメージなんです。
大井さん曰く、私がチャレンジしていた補助金は国の補助金の中でも特に難しいものらしいのです。国の補助金に採択されるためには、国の政策にのっとって自分の強みを活かして、新しいことに挑戦していくストーリーを書類できちんと伝えることが大事だと教えていただきました。
補助金で採択される大切なポイントは、強み、夢(理想)、販路(事業として成立するのか)の3つ。この3つを揃えて、補助金の審査員を納得感を持って感動させることがポイントとのこと。この話を伺った時は、これはプロに任せるべき仕事だったんだなと実感しましたね。
その後、無事に補助金は採択されました。ただ、次は交付申請という製造機械などの注文内容の審査のステップがあり、最後に内容が適正に実施されたのか発注内容を精査する最後のステップがあります。その間、補助金の窓口の方とのやり取りで気になった時は、チャットで随時大井さんに報告し、「このように対応してください」などのアドバイスをいただきながら進められました。
補助金って交付決定から着金まですごく長くて、やることも多いんです。途中で何度も心が折れそうになったのですが、まどんなクリエイトさんがずっと伴走してくださったのでなんとか遂行することができました。
補助金の採択が決まったら、そこでサービスが終了してしまう補助金申請サポートの事業者さんも多いと聞きましたが、最後までお手伝いしていただかなくては私は無理だったと思います。採択されたものの、その後が大変で途中で諦める方も多いと聞きました。補助金の申請をお願いするにしても、その事業者さんがどこまで伴走してくれるのかを確認した方が良いと思います。
今後の目標を教えてください
次のステップとして、パーラー〇〇にメンマチョの製造所を作りたいと思っています。この計画においても、設備投資のタイミングや資金調達の方法においてまどんなクリエイトさんに相談をしています。はじめのスタートこそ、「補助金を手伝ってください」という感じで単発でのお願いを想定していましたが、今は伴走してくださっているイメージですね。
メンマの製造所が完成すると、製造量は約3倍になる予定です。事業の拡大と新商品の開発などもできるようになります。
メンマが土台になりますが、OEMなど街の小さな製造所みたいなイメージで大きい工場では受けられない地域の魅力が詰まった商品をパーラー〇〇で作っていけると良いなと思っています。
これまで、メンマチョとパーラー〇〇の事業は別々で走らせてたイメージですが、今の段階になってくっついてきた感じがしています。元々、街に対してアクションを起こす人・生み出す人が集まって発信するハブを作りたいと思っていたのがはじまりです。今は飲食営業許可があって、各事業者さんが出店してくださっていますが、今後はそこに食品製造業という機能がプラスされて、パーラー〇〇の幅が広がるイメージがあります。
どのような方にまどんなクリエイトを勧めますか?
私くらいの事業規模で、少しとっ散らかっているけど「想い」はあるという方におすすめです。次の夢や目標を持っているんだけど、今の事業が忙しくて余裕がない、みたいな方にはすごくフィットすると思います。
補助金が絡む事業の意思決定の際に相談したり整理してもらえたりして、それが私にとっては大変助かっています。いろんな専門家がいるみたいなので、今回の私にとっての大井さんのように、課題にぴったりの専門家の方がサポートしてくれると思います。
大井さん
化粧品メーカーに勤めつつ、中小企業診断士としても活躍するパラレルワーカー。ITやDXの分野にも精通している、プロジェクトマネージャーとしても活躍。趣味は旅行、合唱、アカペラと調味料。最近はKALDIや久世福で調味料の大人買いと、キムチ作りにはまり気味。
【編集後記】
今回は、神戸から大井さんが西条のパーラー〇〇に駆けつけられ、武市さん、山中さんで「やまのカレー」のカレーをいただいた後に、取材が行われました。
大井さんは、化粧品メーカーに勤めながら、中小企業診断士としても活躍されています。まどんなクリエイトの他のメンバーさんにお会いするのは初めてでしたが、とても気さくで楽しい方でした。もちろんお仕事は超一流です。まどんなクリエイトさんは、メンバーもお客様も素敵な方ばかりだな〜と改めて思いました。
そして、インタビューさせていただいた山中さんは、次々に目標を掲げて、どんどんそれを実行している姿がすごくかっこよかった!こういった発信力と行動力のある方の存在によって、地域は盛り上がっていくんだろうなと思いました。新しいメンマの製造所も楽しみです。
【取材担当】
廣瀬麻衣
フリーライターで3人の子どもの母。2016年に東京から松山市に移住。編集プロダクションで働いた後、移住をきっかけにフリーランスとして仕事を再開。フリーランス歴7年目。紙媒体からwebの記事まで幅広くライティングを行う。特にインタビュー記事が得意。衣食住や家事など、暮らしにまつわることが大好きなので、暮らしにまつわる本を書くことが目標!